えかブログ

季節の手仕事、日常の思ったことなど

毎日が当たり前に繰り返されると思っていた。

 

父が入院した。

 

仕事から帰った私にそれは唐突に母から告げられた。
一瞬なんのことかわからなかった。
もしかしてコロナにでも罹ったのかと思ったがそうではなかった。
なんでも田んぼの様子を見に行って足を踏み外し、そばを流れる川に落ちたのだという。

 

そこまではよかった。
しかし私の質問に答える母の言葉を聞けば聞くほど、それは私が想像しているよりも深刻な状態であるという事実を突き付けられた。

 

頭蓋骨骨折、頚椎損傷、幸いにも意識はあるようだが今は寝たきりの状態だそうだ。
元気になっても最悪の場合、麻痺が残る可能性もあると。

 

信じられなかった。

父は3年ほど前、仕事中に踵を骨折して入院したことがあった。
その時はまだコロナが流行る前で面会に行くこともできた。
しかし今は感染防止のため、どこの病院でも面会ができないのが当たり前の時代。
職場の同僚やお客さんからも家族が入院していても面会ができないという話をよく聞いてはいたが、いざ自分がその立場になるとなんてひどい世の中なんだと思った。

 

事故の朝、私は父に会っていない。
もし万が一にも、打ち所が悪かったらと思うとぞっとする。

 

これがドラマや映画ならよくあることだ。
しかしそれは所詮フィクションであり、自分の生きている世界では起こりえないことだとどこかで信じて疑わなかった。
少なくとも自分が認識することができる範囲の世界では。

 

家に帰ると当たり前のように父がいて、居間で寝転んでテレビを見ている。夜になるとたばこを吸いに外に散歩に出る。時にいびきをかいてうるさいと思う。
そんな毎日が繰り返されると思っていた。

 

私はなんて傲慢だったのだろう。

今は父に連絡を取ることもできない。
私にできることは母のサポートをし、父の無事を祈り、自分の気持ちを整理するためブログを更新することだけだ。

 

最後に、人目につかない川で父を見つけてくださった近所の方にはお礼を申し上げたい。幸いにも声が出せる状態だったため助けを求めることができたようだ。

 

本当に発見が早くてよかったと思う。