えかブログ

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イオンモール土岐10月7日(金)オープン。待望の映画館は開館ならず。

 

先日、イオンモール土岐がいよいよ10月7日(金)にオープンされると発表された。
モールには約140店舗が入り、温泉施設やゴーカートサーキット場なども併設されるという。コンセプトは「さあ、ココロはずむトキを」。
東海環状自動車道「土岐南多治見IC」から北へ2kmと市内外からのアクセス性にも優れ、広域からの集客にも期待されている。

 

しかし市民から期待を寄せられていた映画館についての発表はなかった。

 

今やネット環境さえあれば、どこでも好きな時間にスマホひとつで映画が見える時代。今回のイオンの対応についても納得をせざるを得ないのかもしれない。
スマホを持っている人ならばNetflixAmazon primeといったサービスをすでに契約している人も多いのではないだろうか。

 

現に私もその一人である。数年前までは、何か見たい映画があれば車で1時間以上かかる映画館まで足を運ぶこともあった。最近ではわざわざ遠出してまで見に行く必要性を感じられず、自宅のテレビやタブレットサブスクリプションを契約し映画を見るようになった。

また先日パソコンを新しく買うときに、どのメーカーもDVDやCDを読み込むためのディスクドライブがついていないことに驚いた。
10年前のパソコンしかしらない私にとっては衝撃だったが、考えてみれば当然である。

 

同じようなことは映画だけではなく、音楽や漫画、書籍などにも言える。
こういったネットを利用したサービスは消費者にとっては便利でありがたいことではあるが、販売する側は時代の流れに合わせた商品を売らなければならない。


正直ネットがあれば実店舗など必要ないのだ。
それにも関わらず、なぜ人々は実際のお店に足を運ぶのか?
今回の映画館が入らないというイオンの発表に対して、なぜ肩を落とすのだろうか?

それはやはり実際のお店でしか味わうことのできないものがあるからで、ファンタジーな言い方をすると、知らない場所に冒険しに行ったり宝物を探しに行ったりするような感覚と似ている。

 

私は映画館が好きだ。
映画館に漂うキャラメルポップコーンの甘い香り、入り口で券を買い入場し席に着き映画が始まるまでの時間、一歩入ると別世界に来たような薄暗い照明。それらすべてが非日常であり、同時に遊園地のアトラクションのようなワクワク感を感じさせてくれる。

 

ネットを使えばこれらは指一本でスキップすることができてしまうのだか、映画を見るという行為だけでも本来多くの過程を経ることになる。
そしてその過程に魅力を感じるからこそ、人々はお金を払い映画館に行く。
しかし近くに映画館がなければネットで見る。きっと私もそうするだろう。

 

しかしそれでは映画は観るという「体験」をするのではなく、ただ物語を「消費」するだけのものになってしまう気がするのだ。

 

ネットありきの世界も悪くはないが、あえて不便を体験することでしか得られないものにも十分な価値があると思う。
そういうサービスを体験できる施設が減ってしまうことにはやはり寂しさを感じるのである。